2009年 カンボジアくるま事情

今日はお正月、家族そろってバイクでおでかけ。でもお父さんだけヘルメットっておかしくない?


カンボジアは長い内戦の影響で産業発展が遅れており、自国での自動車生産など夢のまた夢である。したがって車はすべて輸入品であり、最も普及しているバイクの海の中を、ピカピカの高級車から、ぼろぼろのポンコツ車まで一斉に走っている。法律も未整備な部分が多く交通ルールはあって無いようなもの。まさに混沌としたこの国を象徴しているようだ。

宿泊したホテルの駐車場に停まっていたのはトヨタカムリとレクサス(ランドクルーザー・シグナスのレクサスバージョン)、そして我々を迎えにきた韓国KIA自動車製の中古バス。公務員の月給が20ドルというカンボジアに何故10万ドル以上(関税込み)の車が?



ホテルの前は国道6号線。大陸なので右側通行なのだが、たまに逆走するバイクも。



出ました、5人乗りバイク! カンボジアではバイクは運転免許が不要。多分ヘルメットは最近義務化されたのだと思うが、運転手だけしているのは変! なお、バイクの値段はホンダ・スズキが1500ドル、韓国・中国製が500ドル~1000ドル程度。



坊さんも3人乗りバイクで移動。ころんでもケガ無いようにね...



アンコールチケット売り場にあったバンプを乗り越えるハイエース。3日間見た感じでは、乗用車で一番多かったのはトヨタ、次がホンダ・日産といったところ、バイクはホンダ・スズキ・中国・韓国車など。韓国車は大・中型トラックやバスそしてバンは多かったが、乗用車は少なかった。まれにベンツやアメ車も。



一般庶民の足は何といってもバイク、そして相乗りピックアップトラック。右側のトラックは韓国製か。



シェムリアップ市内の通りはバイク、自転車、歩行者、トゥクトゥク(座席のついたリアカーを引いたバイク)、車が渾然一体となって活気に溢れている。写真は国道6号線だが、道の両側は市場となっっている所。
カンボジアではトヨタ車が一番人気だが、写真の対向車はトヨタ・カムリ。あとはカローラ、ハイエース、ランクル、レクサスといったところ。値段はカムリの新車で2万ドル以上するそうだ。ホンダ車はアコード、シビック。日産車はティアナ、マイクラ(マーチ)が目立った。少数派としては三菱パジェロ、いすゞトゥルーパー(ビッグホーン)などSUV系があった。



信号機はシェムリアップに5台のみ! 信号の変わり目は先に入った者が勝ちといった感じ。



昼食をとったレストラン駐車場。右側の古いカムリにはナンバープレートが無い。中央の青いサンヨン・イスタナにはナンバーの代わりか、窓に黄色いナンバーのようなものが貼り付けてある。



オールドマーケット前の通りにて。ベンツのマークをつけたバンがたくさん停まっていたが、これらは韓国のサンヨン自動車製。ダイムラー社の技術援助によりベンツのバンをベースに生産したのはいいが、勝手にスリーポインテッドスターまで頂戴してしまった模様。もちろんダイムラー社からクレームがきたのは言うまでもない。韓国国内はさすがにやめたようだが、海外ではそのままなのね。



市内のガソリンスタンド、なぜかガラガラ。



レギュラーガスが3200リエル、ハイオクが3300リエル、ジーゼルが2800リエルと表示されている。4000リエル=1ドルなので、レギュラーガス1Lは80円ほどなのだが、カンボジアの物価から言えばとんでもない価格。
写真は取り損ねてしまったが、郊外の道端で黄色い液体の入った2Lのペットボトルを20~30本並べて売っている露店がずらっと並んでいた。中身はガソリンとのこと。つまり税金のかからないヤミ・ガソリンを一般の人は入れているのだ。



国道端にある長距離バス乗り場。これはプノンペン行きのデラックスバス。料金は12ドル程度か。



こちらは普通のバス、プノンペンまで料金は6ドル。バスには出発時間は無く、満員にならないと出発しないとのこと。



大きな荷物を抱えているような場合はピックアップトラックを利用する。プノンペンまで車内6ドル、荷台が4ドル。こちらも満杯にならないと出発しないので何時間も待たされるとのこと。



バイクを何台も積んだトラックもある。手前は天秤竿をかついだ物売りさん。



プノンペンへ向かう国道6号線は日本の援助で舗装されているので快適。スピードリミットを示す標識は無い。



道路沿いに町ができ、市場ができ、自然と人が集まる。



水牛は今でも立派な農家の動力である。



ベンメリア遺跡へ向かう途中の道。10年位前は全線こんなだった。最も、10年前はまだ遺跡内に地雷が残っていたけど!



積載量及び乗車人員不明。



車種はよく解らないが日産車のような感じ。



バスの前をゆく1台のバイク。荷台には...



黒豚が乗っている。迷わず成仏してね。



こんどは3匹も...。どちらもシェムリアップに向かってトン走している。



さすがに荷物の上はあぶないので屋根の上に乗る皆さん。でも急ブレーキを踏んだら...



シェムリアップ市内国道6号線のロータリー。この写真を見て確信したが、像の背中側に王様の別荘があり、国道が見事に通行止めになっている!!! どおりでバスはいつも市内を迂回していたわけだ。



アンコール・トム内の道路はトゥクトゥクとバイクタクシーで溢れている。料金は交渉制だがアンコールワットやアンコール・トムなど近い遺跡ならトゥクトゥクが1ドル、バイタクが2500リエル程度。1日チャーターしてもトゥクトゥクが15ドル、バイタクが10ドル程度である。



アンコール・トムでは世界遺産を守るため電気自動車も走っているが焼け石に水のようなもの。



アンコール・トム南大門を抜ける電気自動車。ちなみに、この電気自動車は中国湖北省人民政府からのプレゼント。

現地ガイドのSさんの話では、運転免許制度もあることはあるが、教習所を出るのに50ドル位かかってしまうので、無免許運転が蔓延しているとのこと。また、バイクについては無免許運転もOK、飲酒運転もザラという状態。さらに、車やバイクのナンバープレートも、取得すると税金がかかるという理由から、ナンバーの無い車やバイクが平気で町中を走り回っている始末。
これらを取り締まるはずの警察官も給料が月20ドル程度では、まじめに取り締まる気にならず、もし取り締まったとしても東南アジアお得意の”袖の下”を要求して無罪放免というのが常識のよう。
町中でレクサス、ランクル、ベンツなどの高級車を多く見かけたが、Sさんによるとせっせと副業や裏家業で稼いでいる人間が乗っているとのことで、貧富の格差は年々激しくなっているそうだ。
問題は山積しているが、ともあれカンボジアの皆さんはやっと訪れた平和を享受しているように見受けられた。くしくも4月14日はカンボジアの正月で、会社も学校もお休みの為、アンコールワットやアンコール・トムではビニールシートを広げてピクニックを楽しむ家族連れがたくさん見うけられた。

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