OPEL・VITAについて

1998/11〜2009/8




五 寸 釘


1987年から11年乗り続けたEP71(スターレット)も、マフラーに穴が開き(3回目)、ショックアブソーバーは4本ともスットントンに、バッテリーも1度交換してから6年目に、ブレーキパッドもあと1mmに、エンジンは10万Kmを超えタイミングベルト要交換に・・・と、いよいよ末期的状態になったので、(そのほかにも細かい点多数)残念ながら、買い換えることになりました。
EP71の場合、80パーセント位は私の意見でしたが、今回は、おくさんの意見を最優先して購入することになりました。
私はカーアドバイザーの役割で、自分の好きな車選びには最初から五寸釘を打ち込まれていました!
それでも、たまには私も乗ることがありますから、諸々の制約の中で精一杯「間違いのない車」を選んだつもりです。


1.車の使用目的    @通勤 A買い物 B子供の学校や塾の送迎
2.車の種類       使い勝手の良い5ドアコンパクトorサブコンパクト乗用車
3.予算          200万円(こみこみで)程度
4.国産車か輸入車か できれば輸入車を!(あまり他の人が乗っていないから)  
5.その他         AT、エアコン、パワステ、カセット付き
ということで、まず候補車種をリストアップしました。


国 産 車


1.トヨタ − 該当なし(いまさらスターレットは無い!コルサ・カローラありすぎ。唯一考えたのがプリウス。でも、後ろにドアが無い!)
2.日産 − 該当なし(マーチは良くできたサブコンパクトカーだが、台数ありすぎ)
3.ホンダ− 該当なし(まさか、シビックtypeRという訳には...)
4.三菱 − 該当なし(まさか、エボXという訳には...)
5.マツダ− 該当なし(ん、ロードスター?ふざけんじゃないわよ!)
6.スバル− インプレッサスポーツワゴンSRX(自分だったら...W...)を一応候補とする。


輸 入 車


1.ベンツAクラス  − 残念ながら今予約しても1年半先になると言われ断念。
2.VWポロ      − ディーラーが60km遠方のため断念。(輸入車にとってディーラーが近くに無いのは致命傷!)
3.オペル・ヴィータ − 候補とする。 
4.プジョー306   − 候補とする。

こうやって並べてみて感じたことは、国産車には魅力的なコンパクトカーが無い!ということです。


さあ、試乗だ


1.インプレッサ・スポーツワゴンSRX − 実はSRXには試乗していません。
2年位前に、WRXのキーをスバルから借り出して、高峯へ試乗(1人で!)に行ったことがあります。
その時の感想は「これは車じゃない、兵器だ!」と感じました。
やはりWRXに一度乗ってしまうと、下位のモデルにはいまひとつ興味が湧きません。
それと一軒に2台も2リッター車がある...というのもどうかな...と思い涙をのみました。
2.プジョー306スタイル − え!これで1.8L車?
小諸市のディーラーで試乗しました。
車云々を述べる前に感じたことは、試乗のコースが限定されていたことです。(このセールスさん、今田耕二のTVコマーシャル見たことないんかなぁ...)
ディーラーの店をスタートして右回りに4Km位、普通の道を走っただけです。これじゃー目的の半分も達成できませんよ!
インプレですが、なかなか良い車でした。とくにいかにもフランス車らしい乗り心地(シートandサスペンション)、そして多少ロールは許すが、粘っこいハンドリングにも好感が持てました。
スタイリングもなかなかしゃれていて、いいんですが、ボディーカラーがいまいち好きになれません。(あの、フレンチ・ブルーが欲しかったのに...)
そして、今回の試乗で一番ひっかかったのが加速の悪さです。とくに信号発進なんかは え?これで1.8L車?と疑ってしまいました。(スターレットの方がよっぽど早い!)
いくらAT車だといっても、車両重量が1130Kgあるからといっても、これじゃートロ過ぎます
あと、細かい点では、ABSがオプションなのに、何故か日本で販売している306には最初から+7万円で付いてますが、これって変ですよね?(最初から標準装備すべきなのでは?)(99年モデルから標準装備になりました。)
それからスペアタイヤが吊り下げ式であったこと(トラックじゃ無い!)、ホイールのP.C.Dが108mm(国産車に無し!)であったこと、そして見積額が250万円をオーバー(値引き”0”)していたことで、プジョーは諦めることにしました。
3.オペル・ヴィータGSL16V − 小さいのに安全のかたまり!
小諸市の隣の東部町にディーラーがあるんですが、その名はもちろんヤナセです。
まず気に入ったのが、自分の好きなコースで試乗させてくれたことです。セールスさんと一緒でしたが、昔の菅平有料(今は無料)道路を1時間近く走り回って、各部をチェックしました。
小さいくせに、いかにもドイツ車らしい、がっちりとした造りで、好感が持てました。
走りのほうは車両重量1トンを少し超える1.4L車ですから、そこそこといった感じで、加速は排気量相応、ハンドリングもまあまあ、ブレーキはAT車としてはちょっと奥まで踏まないと利いてこない設定で若干のくせはありますが、慣れれば大丈夫でしょう。
一番感心したのは、こんな小さい車でも安全性に全く手を抜いていないことです。
スターレットと比較して200Kg以上重い重量はほとんどが安全面へ行っていると思って良いでしょう。
まず、ボディーはどこを叩いてもベコベコしたところはありません。鉄板の厚さからして違うような気がします。
フルサイズのツインエアバックに加えて、なんとサイドエアバックまで標準装備。(99年モデルから)
シートベルトプリテンショナー、ABS、そして左右のドア内部のインパクトビームはダブルでかましてあります。
スペアタイヤですが、ヴィータに限らず、ヨーロッパ車は一部を除いてテンパータイヤは使用していません。昔の国産車と同様、標準タイヤが装備されています。(これは安全というより発想の違い)
そして、ホイールのP.C.Dはなんと100mm−EP71と同じ!
さらに、99年モデルからガソリンはレギュラーでOKになったんです!(98年まて゜はハイオク標準)
見積額は207万円(すべて含めて・5万円値引き)で、当初の条件をすべて満たしていたため、1週間後にサインしました。


インプレッション



1998/11/18 に我が家へやってきたオペル・ヴィータ GLS 16V はドイツのアダム・オペル社が製造している乗用車で、オペル車のエントリーモデルとして位置づけられています。
日本では株式会社ヤナセが正規代理店としてオペル車の輸入・販売・アフターサービスを行っています。
エンジン排気量は1400,1600に加え99年モデルからは1200cc車も投入されています。
サイズは 全長3,740mm 全幅1,610mm 全高1,440mm ホイールベース 2,445mm で 車両重量は1,040Kgとなっています。
エンジンは直列4気筒DOHC16V 排気量 1,388cc 最高出力 85ps/6,000rpm (EEC規格) 最大トルク 12.2kgm/4,000rpm です。
ミッションは4速ATアイシン精機製だそうです。AT車を所有するのはこれが初めてなので、詳しいことはよくわかりません。
1.4L車が1トンを超えるのはちょっと重すぎるような気もしますが、前述のとおり、この重い分はほとんどが安全面に割り当てられていると考えてよいでしょう。
1998/11/29 現在、走行距離はまだ600Kmにも達していないので、まだ、詳しいことはご報告できませんが、燃費は11Km/Lを最初の給油で記録しました。(3000Km位乗ったらまた、報告します)
舗装したての良い道を走っていても、やけにゴツゴツ感があるなーと思い、エアをチェックしてみると何と 2.7Kg/cm もエアが入っていたので、指定空気圧(3人乗車時)にもどすと、だいぶ良くなりました。(フロント2.4 リヤ2.2Kg/cm)
タイヤサイズは165/70−13というちよっと最近にない昔のサイズですが、おかげでスターレット用のタイヤとホイールがそっくり使えそうです。
間違いの無い車選び」のページにもありましたとおり、概ね国産車は10年から15年、ヨーロッパ車は15年から20年位乗れるように設計されているようですから、私(と言うよりおくさん)も大事に使って20年を目指したいと思っています。

ヤナセさん、フォローよろしくお願いしまーす!


さらば VITA

2006/10 旧武石村の廃スキー場にて


それは予告なくやってきた

1998年11月18日に我が家にやってきたオペル・ヴィータの暖房が効かなくなったのが、2008年3月であった。2007年11月に4度目の車検を実施したときには、心配された大きなトラブルはなく、この調子なら当初の予定通り15〜20年は乗れる、さすがはヨーロッパ車だ、と喜んでいたのだが。
最初はサーモスタットを疑ったが、そうではなさそう。次に冷却水のリザーバータンクを見ると、あるはずのクーラントが無い。冷却水が漏れたにしては車の下には、何もたれた跡は無いが半信半疑で水を所定のレベルまで注入すると暖房が効き出した。さっそくヤナセに電話、点検してもらうことになった。
ショールームで1時間ほどアウディなど眺めていると修理ブースへ呼び出された。見せられたのは先の爪が無くなった1番プラグ。メカニックさんの説明によるとシリンダーヘッドガスケットのひび割れが原因で冷却水が1番シリンダーの内部に滲入している。そのため、走れば走るほどクーラントが無くなるとのこと。では、ガスケットを交換すればいいのか聞くと、そう簡単では無いそうだ。
さらにメカニックさんの話は続き、1番シリンダーが異常な燃焼を起こした結果、プラグの先は溶け、バルブやシリンダーにもダメージが行っているそうだ。直すにはオーバーホールしかないが30万以上かかってしまうとのこと。
1分ほどその場で考えたが、もう9年乗った車であり、もとは取れている。30万以上かけるのなら、このまま乗れるだけ乗って、いよいよダメになったら買い換えるのが賢明だろうという結論に行き着いた。メカニックさんにプラグの交換とクーラントの補充をお願いしてとりあえず修理は終える。



問題のエコテックエンジン。これもGM製か。

GMスタンダード

それからは毎朝仕業点検を実施し、冷却水を補充する日々が続いた。当初は水道水だけであったが、次第に錆びが出るようになったので、ホームセンターで安いクーラントを購入し倍に薄めて補充した。
2008年は、朝エンジンをかけると最初3気筒エンジン独特のボロンボロンという音で始動、10分ほどアイドリングを行い、やっと4気筒エンジンになる。しかし2009年春になると何分アイドリングしようがずっと3気筒のままとなった。1番シリンダーが死んでいるからなのだが、試しにプラグの交換を試みると手持ちの工具がプラグ穴に入らないときた。このへんも輸入車だ。
エンジンパワーは1/3位になり、発進、加速、登坂すべて軽自動車に抜かれる。ATのシフトタイミングもおかしくなった。燃費は8km/Lがやっと。このままではいざというときの加速が出来ず、危険なシーンも考えられるし、財布にも環境にもよろしくない。
>「間違いの無い車選び」のページにもありましたとおり、概ね国産車は10年から15年、ヨーロッパ車は15年から20年位乗れるように設計されているようですから、私(と言うよりおくさん)も大事に使って20年を目指したいと思っています。 (1998年、ヴィータを購入した際のコメント)
何でこんなことになったのか、つらつら考えてみたが、結局この車はオペル車では無いという結論に至った。たしかに基本設計はドイツのアダムオペル社であるが、ご存じの通りオペル社はGMグループの一員であり、窓ガラスやプラスチックパーツ、ゴムパーツなどにGMの刻印が押してある。
製造は労働コストの安いスペイン、パーツは世界中から適当なものが集められ、GMの基準に合えばそれで合格という感じの車。つまりこの車はオペル車で無くGM車だったのだ。



それでも、シートは最後までしわ一つ寄らず、へたれもなかったのは立派。



小さい車にもかかわらず、ドアは分厚い。エアバックは4つ、どうやら一度もその効果を試さずに終わりそうだ。

廃車決定

と、いう訳で2009年8月、ヴィータを廃車することに決定する。所有期間10年と8ヶ月、走行距離は83,858km(2009/7/28現在)大きなトラブルは上記のとおり。小さいところではシートの異音と電気(主として電球)系トラブル、消耗品としてはタイミングベルト交換、ブレーキローター交換、夏・冬タイヤ交換1回、マフラー交換3回など。

10年と9ケ月間ご苦労さんでした。

2009/7/28 記す  


臨 終

2009/08/05 PM8:00 セルを回そうとすると一度だけ「ガッ」といったまま、2度目からは全く反応がなくなった。バッテリーはまだ充分あるので、恐らくピストン関係かと思われる。不動車になった場所は幸い家の駐車場では無く、たまたま道路工事の関係で、隣の会社の広い駐車場だったので、08/09(日)までそこに置いてもらい AM11:00に某社のキャリアカーにて回収してもらう。10年9ヶ月、走行距離は見るのを忘れたが恐らく84000kmほどと思われる。
こうして、ヴィータの廃車が決まりました。走行距離84000km、11年9ヶ月の間、もっぱら奥さんの通勤車として活躍してくれたヴィータ君ありがとう。

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