LE-TT2(LE-TT2KS4R)

2007/5/27〜現在

農道のポルシェ・サンバートラックについて

後立山連峰をバックに


2007年5月27日、久しぶりに新車を購入、その名はスバル・サンバー・トラック、通称「農道のポルシェ」です。翌28日、ならし運転を兼ねて長野市までドライブしましたが、良いお天気だったので、ちょっと足を伸ばして水芭蕉の群生で有名な鬼無里の奥裾花自然園まで行ってきました。

サンバーの歴史

スバル・サンバーが発売になったのは1961年(昭和36年)。チーフエンジニアは百瀬晋六。そう、あのスバル360を開発した人物である。発売当初から運転席が前輪の上にあるキャブオーバー型(軽トラックではサンバーが最初)で、リアエンジン・リアドライブ、4輪独立懸架という、その基本レイアウトは現在まで変わっていないのには驚く。ブランド名として、軽トラックではダイハツ・ハイゼットについで2番目に長い46年という歴史を持っている。また、星の数ほどある国産車の中では7番目だそうだ。
サンバーは8年から9年のサイクルでフルチェンジしている。今回購入したサンバーは6代目にあたり、1999年の登場。その後フェイスが2度変わったが、モデルチェンジからすでに8年経過しており、今年か来年あたりフルモデルチェンジになりそうだ。しかし、スペースに制約の多い軽トラックは、やはりフルキャブオーバー車の方が何かと有利なので、RR、4独、フルキャブは是非継承してもらいたいものだ。



R18をトロトロと長野市まで走り、ちょっとした用事を済ませてから、帰路、R18バイパスを走っていると、残雪の北アルプスが目に飛び込んできた。そういえば長野県に住みながら鬼無里の水芭蕉をまだ見ていないことを思い出し、急遽R18からR19へ進路を変更、オリンピック道路を経由して、小川村の中の交差点を右折する。この写真は小川村から鬼無里へ向かう途中にある展望台から撮影。白馬、唐松、五竜、鹿島槍など後立山連峰から槍、穂高に続く北アルプス連峰がくっきりと見えた。

サンバーのスペック

全長3395mm、全幅1475mm、全高1815mm(私より高い)、ホイールベースは1885mmで最小回転半径は3.9mと優秀である。荷台のサイズも1940mm×1410mmとクラストップで、サイズの大きい京畳でも余裕で積めるほど。エンジンはNA(上級車にはスーパーチャージャー付きもある)直列4気筒OHC658cc、もちろん水冷で、パワーは48ps/6400rpm、トルクは5.9kg/3200rpmのEGIエンジンである。
スーパーチャージャー(以降SC)が装着されたサンバーは、58ps/6000rpm、トルクは7.5kg/4000rpmとなる。このSCサンバーの走りは強力で、「農道のポルシェ」たる俗称はここからきたようだ。
市販はしていないが「赤帽サンバー」という車種にはDOHC+SCが搭載され、荷物を積んでの高速道路走行や登坂など、サンバーのウィークポイントを押さえた車だそうだ。
ミッションは5Fが一般的だが(車種によってはエクストラローが付く)3ATもチョイス可能。自分1人だけなら5Fだが、諸般の事情により3ATとなってしまったが、ちょっと失敗かも。
駆動方式はRR、または4WDがチョイスできる。悪路での使用を考慮すれば4WDだが、RRのままでも駆動輪の上にエンジンがあるので結構強いと思われる。
足回りは、フロントがマクファーソンストラット、リアがセミトレーリングアームの4輪独立懸架、タイヤサイズは145R12・6PRのラジアルタイヤ、ちなみに購入したサンバーにはBS・RD605が装着されていた。
シャーシーは2本の頑丈なフレームがエンジン分からフロントまで通っており、とくに運転席の下でY字に分かれてフロントの横フレームに溶接してある。万が一前方から衝撃受けた場合このY字フレームが縮んで、衝撃を吸収する設計になっている。

奥裾花自然園

鬼無里(かつては鬼無里村だったが、今は合併して長野市鬼無里)の道の駅にて昼食。メニューはそば定食。道路地図を持参していなかったので、鬼無里エリアマップをここでもらい、白馬方面へ向かう。5kmほど走った先のT字路を右折して奥裾花渓谷を目指す。
奥裾花ダムの手前で入園料1人分400円を支払い、観光センターに駐車。そこからシャトルバス(200円)に乗り換え自然園を目指すが手前1kmで降ろされ、結局そこから先は徒歩となる。(帰りは歩いた)
写真は今池湿原と言う、81万株の水芭蕉が群生している湿原だが、完全に盛りを過ぎており、大きくそだった水芭蕉が群生していた。



葉の大きさは60cm以上で、水芭蕉と言うより、鬼芭蕉といった感じ。なお、白いはなびらのように見える部分は花を保護する葉である。一番良い時期は4月下旬から5月の連休ということで、もし、一面に咲いた水芭蕉をご覧になりたい方は要注意。

サンバーのインプレ

運転席に座ってみてまず感じたのが広い足下。ATをチョイスしたので左足が伸ばせる!。安全上の理由で前輪が運転席より前にあるセミキャブが主流となった軽トラであるが、やはりスペースを考えるとフルキャブだろう。ちなみに助手席は両足が伸ばせる
キャビンの高さは1815mmであり、スクウェアな形状のため運転席の肩、頭周りも余裕がある。そして、乗用車より50cmほど高い所にある視界は前方、側方、後方とも良好で、まるで展望台で運転しているようなもの。(逆に周囲からもしっかり見られている)
古い軽トラではハンドルに足がつかえたこともあったが、今はそんなことは無い。ハンドルも適度に起きておりATのシフトレバーはパネルから生えているので、助手席からの乗降も簡単。エアコン、パワステ(電動)、4WD、AT、カセット(CDはオプション)と、豪華装備だ。
エンジンに火を入れてみるが、静かだ。オプションで厚めの荷台マットを装備したせいもあり、遠くでモーターが廻っている感じ。RR、4気筒が効いている。以前は外はうるさいと言われたようだが、今はそんなこともない。むしろエアコンの方がよっぽどうるさい。
3ATはスズキ製だということだが、やはり4ATがほしい。トラックであり、いやでもローギアードなのでDレンジ50km程度の走行中にアクセルを離すともろにエンジンブレーキが効いてしまう。ゆるい下り坂ではどんどん速度が落ちてしまう。最初は間違って2速で走っているのではと疑ったくらい。ならし運転中であったので高速道路は走らなかったが、100km/hはすごい回転数が予想される。
エンジンパワーは排気量相応といったところで、多くは期待しない方が良い。ならし運転中で踏み込まないせいもあるが、上り坂は自然に安全運転になってしまう。まあ、いつもと違う景色が見える、と発想を転換しよう。
ブレーキの効きは優秀。フロントにはベンチレーテッドディスクが装備され、大型のマスターバックが運転席足下の上に鎮座している。登りで抜かれた車を、下りで抜き返すのは充分可能と思われる。

燃費その他

さて、問題の初給油。350km走行して22.72Lのレギュラーガスがタンクに入ったので、15.4km/Lと出た。BLより悪いのではとヒヤヒヤしていたが、ホッとした。これで普段の下駄代わりに乗れる。ただし、経済速度は40km/hあたりか。
不満な点は以下の通り
  1. 3AT : やはり4ATがほしい。フルチェンジでは是非4ATを。
  2. 直進安定性 : やはり短いホイールベースの影響か、横風など受けるともろにハンドルに影響がある。もうすこしタイヤを太くしたらどうだろう。
  3. レギュレータハンドル : ドアが薄いためパワーウインドが付かないのだが、窓ハンドルが右足の膝あたりに当たる。なんとか工夫してパワーウィンドにするか、ハンドルの位置を膝の当たらない場所に移動してほしい。
  4. アンテナの騒音 : Bピラーに取り付けられたアンテナをいっぱいに伸ばすと、道路の振動ですごい音を立てることを発見。
  5. エアコンの騒音 : エンジンが静かなのでよけい気になる。
感心した点は以下の通り
  1. 抜群の小回り : 短いホイールベースの影響が良い方にでて、小回りは得意中の得意。
  2. シートの造り : 若干薄いがファブリックシートはやはり気持ちが良い。また、運転席だけだが、リクライニングも出来る。長距離ドライブもOK。
  3. カセットの音質 : どうせトラックだからと期待していなかったが、10cmスピーカー×2としてはまずまずの音質。CDも欲しくなった。
  4. エアコンの効き : かみさんのオペルをはるかに凌ぐ効き。うるさいのが残念。
  5. ライト角度調整 : なんと軽トラックにライト角度調整ダイアルがついている。これは素晴らしい。
現時点で気がついたことをあれこれ書きましたが、今のところ大きな不満はありません。満足度は90%といったところです。これから、農作業に、家の中や物置の整理に、引っ越しに、また山岳写真撮影に利用することを目論んでいます。

OMAKE

長野市に行った理由はこれ。1983年から続いている日中友好協会長野支部主催の「中国にスキー用具を送る運動」に賛同したからです。上の写真は集積場所となった長野市運動公園に集められたスキー。なお、立てかけてあるスキーの左側4台が今回贈ったもの。家にはもっと古いスキーもあるが、それらは残念ながらゴミセンターへ持って行った。
http://www.avis.ne.jp/~nihao/07ski-okuru.htm

ちなみに長野市運動公園には1998年長野オリンピックで使用されたアクアウィング競技場が隣接している。アクアウィングをバックに記念撮影。なお、このホイール、実はオートアールズで購入したホイールキャップ(^^;;。そのうちなんとかしてやる〜。

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